T.書名 メール・ヌードコレクション
U.著作者 視覚デザイン研究所・編集室
V.出版社 視覚デザイン研究所
W.刊行日 1994年8月25日
X.価格(税抜き) 3000円
Y.内容 3人のモデルによる男性のポーズ集。
Z.私見
男性単独のポーズ集として初の出版であると思われる。男性ヌードは制作の際にも一般的ではなく、男性モデルの登録数も需要も少ない。一般的なイメージも敬遠される向きがあるが、本書に出てくる3人のモデルは鍛えられた体が美しい。女性のポーズにないような力強く男性的なポーズで表現している。巻頭では彫刻作品、名画のポーズと同じポーズをとって撮影されているが、日本人のモデルであるが、プロポーションは全く遜色がない。巻頭の論文で興味深い文章があった。
(本文引用) ・・・・「男はつらい生き物だ」 女はボッティチェルリ「ヴイーナス誕生」グロ「クリステイーヌ・ボワイエ」にも見られるように、たおやかに豊かな曲線を生かして立っている姿も絵になる。マイヨール「坐る女(地中海)」(1901年頃)や、ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」(1830年)に見られるように、座っているポーズ、躍動的なポーズでも女は絵になる。このように、女がどんなポーズをとっていても絵になるのに比べて、男は雄々しく立ち、躍動しているポーズくらいしか絵にならないものなのだ。こう考えてみると、男は役割に忠実に生きなくてはならない、つらく、割に合わない生き物だといえるのではないか。・・・・
(私見) 男性ポーズが一般化しないのは、フォルムが直線的でポーズが限定されることにもある。ちなみに女性がとっているようなポーズを男性にとらせたとしよう。すべてではないが、美しいとはいえないポーズなってしまうものがあるのは想像できる。男は役割に忠実・・・深い言葉ではある。編集後記にも男性編集者の言葉が、
(本文引用) 私は男である。故に、この本の制作に携わるまでは、“男”‘‘裸体”“ヌード”などという言葉からは、正直言って“グロテスク’“見ぐるしい”等々という感想が先に出、決して良いイメージを持った事はなかった。しかし、制作段階で焼き上がる幾枚かの写真を見るに従い、先述の思いは見事に払拭され、思いもかけぬ言葉が口からこぽれた…‥・「美しい」。だが残念な事に、その思いの線は、私の肉体までへは延びる余裕はなかったようである。
(私見) 「グロテスク」「見苦しい」という言葉は女性モデルにはとうてい浮かばない言葉である。対照的に男性には先入観としてそういったイメージがつきまとう。しかし本書ではそういった先入観を払拭するには十分な内容であり、男性のポーズに関しては唯一の参考文献である。
参考・・・・出版社の文献紹介

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